今日から騎士団長の愛娘!?~虐げられていた悪役幼女ですが、最強パパはわたしにメロメロです~

「せっかくッスけど、リリーちゃんから塩は受け取れないッス。今日から俺と君はライバルッス!」
「え!? え、ぇええええ――っ!?」
 バイアスさんからされたまさかのライバル宣言に、私の素っ頓狂な叫び声が周囲に轟いた。
 パパが、慰めるようにポフポフと私の頭を撫でてくれた。
『やれやれ、大人げないのぉ』
 ここで、今まで足もとで静かに丸まっていたベルが、肩をそびやかし、ポツリと零した。
『古より恋は盲目と言うからのう。ところでベルベリヴァウンゼン、お主いつあちらに帰ってくるんじゃ?』
『ふむ、まだしばらくは帰らん。もう少しこっちを満喫してからにするわい。リリーとおると退屈せんのじゃ』
『それはなりません! どうか我らとお帰りください!』
 ベルの『しばらくは帰らない』宣言に、白いウサギさんが慌てて首を横に振る。
 そうなのだ、実はここには白いウサギさんとリスさんがいるのだ。二匹はベルのお目付け役で、人間界に落ちたベルのお迎えにやって来たのだという。