「当たり前だ。パパもリリーが大好きだ」
 ……っ、よかった! よかったよぉ!!
 パパに嫌われていなかった。この事実が、こんなにも私の心を明るくするのは、単に死亡エンドを回避したいがためだけではない。
 私は、いつも私のことを一番に考えて、心を砕いてくれるパパが好き。そんな大好きなパパに、義父としての責任や義務感からではなく、私のことを好きでいて欲しいと願っていたのだ。
 おずおずと胸の中から見上げたら、パパが柔らかに目を細め、白い歯をこぼしていた。
 っ! 初めて見るパパの笑顔にドクンと胸が跳ね、視線が釘付けになる。普段鉄面皮のパパの笑みは破壊力抜群で、私をすっかり虜にした。
「パパ……っ!」
 私は泣き笑いみたいに顔をクシャクシャにして、大好きな自慢のパパにギューッとギューッと抱き付いた。パパも私をしっかりと抱き返し、応えてくれた。
「お、ここにいたか! 無事だったか、アルベルト!?」
 私とパパはそのまましばし互いの温もりを分け合っていたが、王様とダグラスがやって来るとパパは私を王様に預け、今回の事件の終息の為に立ち上がった。