「団長、これ……たぶん魔力ッス」
「なっ!? ……そうか」
並走するバイアスが、クンッと鼻をヒクつかせて告げる。バイアスはいつもふざけたような言動で掴みどころのない奴ではあるが、剣技に優れ、知略に長け、俺が誰よりも信頼を置く有能な男でもあった。
彼自身は魔力持ちではないが、その豊富な知識から確信を得たらしかった。
バイアスのこの発言によって、第三者からの攻撃を疑う必要はなくなった。魔力の爆発なら、これをなしたのは十中八九リリーだ。
クソッ! 祖父母に悪魔の娘と言わしめただけあって、とんでもない娘だ!!
その処遇に悩んでいたが、あまりにも悪さが過ぎる。幼い身で修道院にやるのは可哀想かと悩んでいたが、同情するのも馬鹿らしい。生涯幽閉しかなかろう!!
そうして燻る視界を割り進み、廊下を進んだ先――。
慌てふためく使用人たちの奥で床に尻をつき、カタカタと震える幼い少女がいた。その姿はまるで、狩人に怯える小動物のようだった。
この少女は……?
「なっ!? ……そうか」
並走するバイアスが、クンッと鼻をヒクつかせて告げる。バイアスはいつもふざけたような言動で掴みどころのない奴ではあるが、剣技に優れ、知略に長け、俺が誰よりも信頼を置く有能な男でもあった。
彼自身は魔力持ちではないが、その豊富な知識から確信を得たらしかった。
バイアスのこの発言によって、第三者からの攻撃を疑う必要はなくなった。魔力の爆発なら、これをなしたのは十中八九リリーだ。
クソッ! 祖父母に悪魔の娘と言わしめただけあって、とんでもない娘だ!!
その処遇に悩んでいたが、あまりにも悪さが過ぎる。幼い身で修道院にやるのは可哀想かと悩んでいたが、同情するのも馬鹿らしい。生涯幽閉しかなかろう!!
そうして燻る視界を割り進み、廊下を進んだ先――。
慌てふためく使用人たちの奥で床に尻をつき、カタカタと震える幼い少女がいた。その姿はまるで、狩人に怯える小動物のようだった。
この少女は……?



