今日から騎士団長の愛娘!?～虐げられていた悪役幼女ですが、最強パパはわたしにメロメロです～

　ここでパパが、女性騎士らの一団に絶対零度の眼差しを向ける。女性騎士たちは、憐れなほど震え上がっていた。
　それを見るに彼女たちが不憫になった。彼女たちは興奮して突っ走ってしまっただけで、私とぶつかった騎士にしても悪気があったわけではない。
　なにより、入口を塞ぐように立っていた私にも非はあるのだ。
「ううん、大丈夫！　これは不幸な事故で、誰も悪くないの！　それより、私こそ訓練中に突然来ちゃってごめんなさい。パパの集中力を削いじゃったよね」
「なに。どんな時だってリリーの応援は一番の力になる」
「パパ……っ」
　剣戟訓練の直後だからだろうか、抱っこするパパの腕とその瞳の温度がいつもよりちょっと高い。それにあてられて、なんだか無性にドキドキした。
　するとここで、パパが頭を優しく撫でながら私の耳もとに唇を寄せる。
「さぁリリー、パパに勝利のキスをしておくれ」
「えっ!?　……う、うん！」