あやかし戦記 裏側の世界へようこそ

美しい花畑でのんびり過ごすなど、花が好きなイヅナにとっては楽園そのものである。目を輝かせていると、ヴィンセントに肩を軽く叩かれた。

「イヅナとレオナードだけじゃ心配だから、僕も保護者としてついて行くよ」

「保護者って、お前も俺らと同い年だろうが!」

ヴィンセントにレオナードが飛びかかり、ふざけながらプロレスの技をかける。イヅナは止めようとしたものの、ヴィンセントが「痛い痛い」と言いながら笑っていたため、黙って見ていることにした。

「三人とも、出かけるのはいいけどお昼には帰ってきてね。お昼はみんなでバーベキューをしたいから」

レオナードの母が言い、イヅナが「はい!お手伝いしますね」と返事を返す。そしてジャレあっている二人に声をかけ、荷物を協力して運ぶ。とは言え、重いものは二人が持ってくれたのでイヅナの負担は少なかったが。

「二人とも、重いものたくさん持って疲れてない?ごめんね、重いもの運んでもらって……」