「イヅナとレオナード、そしてヴィンセントはツヤの部下に、アレンはチェルシーの、チターゼはエイモンの部下になってもらうことが決まったよ。頑張ってね」

ギルベルトがそう言い、イヅナはツヤを見つめる。ツヤはニッと笑って口を開いた。

「ようこそ、こちら側の世界へ。たっぷりしごいてやるから覚悟しろよ、クソガキ共」

「よろしくお願いします!」

イヅナとヴィンセントは頭を下げ、レオナードは「美人な上司!」と喜ぶ。アレンも可愛らしい上司に頬を赤く染めていたが、チターゼは無表情のままエイモンと握手を交わしていた。

それから、パーティーホールに豪華な食事や飲み物が並べられ、歓迎会が開かれた。イヅナたちは騎士団の一員となったことを喜び、たくさん話し、たくさん食べる。

そんな中、これから上司となる人のことをもっと知りたいと思ったのだ。彼女は普通の人ではなく、鬼という特殊な事情があるのだから尚更気持ちが募る。

「ツヤさん、あなたのことを知りたいです。あなたのことを教えてくれませんか?」

歓迎会がお開きになった後、一人になったツヤにイヅナは声をかける。ツヤは少し驚いた顔を見せたものの、その目は寂しげに揺れた。

「別に構わないぞ。あたしはーーー」