イヅナが声をかけると、アレンは笑顔を見せてくれたのだが、チターゼは何も言わずに目を逸らす。それに少しイヅナは寂しくなったのだが、「お前たち、全員着替えたな」とツヤの声が聞こえたため、全員ドアの方を向いた。ギルベルトと三大戦闘員が揃っている。

「ギルベルトさん、俺ら仕事したんで帰りま〜す。お金よろしく〜」

ライムが言い、ギルベルトが「うん。お疲れ様〜」と微笑む。キャロルは「まだみんなと話していたい〜!」と言っていたが、ライムに引きずられながら部屋を出て行った。

「さて、みんなはアレス騎士団の一員になった。その証にこれを授ける」

ギルベルトがそう言い、箱を取り出した。その中に入っていたのは、翼をモチーフにしたバッジだ。それを見てヴィンセントが「これって……」と呟く。ツヤたちの胸元につけられているものと同じだ。

「このバッジは、アレス騎士団である証だよ。大切にしてね」

ギルベルトに言われ、一人ずつバッジを受け取って自身の胸元につける。その翼はきっと、自由を象徴しているのだろう。イヅナはそのバッジを優しく撫で、必ず妖も人間も自由にすると誓った。