あやかし戦記 裏側の世界へようこそ

「おはよう、イヅナ。キャンプいっぱい楽しもうね!」

僕、この日のために花火買ってきたんだよとヴィンセントは笑う。その言葉にイヅナは目を輝かせた。

「素敵ね!夜がとっても楽しみだわ」

イヅナとヴィンセントがしばらく話していると、ニュッと横から手が伸びてきて二人の肩を掴む。振り返れば、ツンツンとした赤い髪に黒い目をした少年がニッと笑っていた。派手なイラストが描かれたTシャツの上にサマーシャツを羽織り、黒いパンツを履いている。

「何の話してんの?俺も混ぜろよ〜」

「レオナード、おはよう!」

「レオナード、暑苦しいから離れて」

もう一人の幼なじみ、レオナード・ロマーナにイヅナは挨拶し、密着している状態にヴィンセントは恥ずかしがる。ちなみに、レオナードの家族が今日、キャンプに連れて行ってくれるのだ。

「夜、みんなで花火をしようねって話をしていたのよ」

「へえ、いい案じゃん!楽しそう!」

「僕だよ、花火買ってきたの」

三人で話しているとレオナードの親に呼ばれ、車に乗り込む。そして車はキャンプ場に向かって出発したのだ。