山道を歩くこと数十分、花畑どころか花一輪すら見当たらない。行けども行けども同じような景色のため、迷っているではとイヅナは不安に駆られてしまう。それはヴィンセントも同じようで、辺りをキョロキョロ見ていた。そして、案内している本人は相変わらずのん気に歩いていく。
「レオナード、これ以上奥に進んだらヤバいんじゃないか?」
「んん?大丈夫だって!去年も行った場所だからさ〜」
そう笑うレオナードだったが、背後の草がガサガサと音を立てるとその表情は一瞬で崩れた。ヴィンセントやイヅナたちの近くに下がり、真っ青な顔で音を立て続ける草を見つめる。
「イヅナ、もし本当に危険になったら逃げて」
ヴィンセントに抱き寄せられるような形を取られ、イヅナの口から「ふえっ!?」というマヌケな声が漏れる。こんな恋愛小説のようなシチュエーションが訪れたことなど、異性の幼なじみが二人もいて一度も起こらなかったはずだ。こんな緊迫した状況だというのにドキドキしてしまう。
「レオナード、これ以上奥に進んだらヤバいんじゃないか?」
「んん?大丈夫だって!去年も行った場所だからさ〜」
そう笑うレオナードだったが、背後の草がガサガサと音を立てるとその表情は一瞬で崩れた。ヴィンセントやイヅナたちの近くに下がり、真っ青な顔で音を立て続ける草を見つめる。
「イヅナ、もし本当に危険になったら逃げて」
ヴィンセントに抱き寄せられるような形を取られ、イヅナの口から「ふえっ!?」というマヌケな声が漏れる。こんな恋愛小説のようなシチュエーションが訪れたことなど、異性の幼なじみが二人もいて一度も起こらなかったはずだ。こんな緊迫した状況だというのにドキドキしてしまう。


