アリサside
「よし、これで無事に任務は遂行っと」
「…真冬くんとエマちゃんはどこにいるのかしら」
「まぁ…無事に早瀬さんが捕まえてるだろうね」
エマちゃんが途中で落としたのだろう宝箱の鍵を拾って、私は早乙女 燐と校舎を回っていた。
安易に別行動するわけにもいかなかったし、真冬くんはすぐにエマちゃんを追いかけて行ってしまったから。
私は婚約者だった男と普通に話している今。
「アリサ、俺のこと本当に覚えてないの?」
ここはもう通すしかない。
私だって好きでもない人と結婚なんかしたくないって、ずっとずっと思いつづけてきた。
だって私の好きな人は小さな頃に許嫁だった男の子で、だけどそれは断られちゃったから。
それでもまた会えた今、あの子から離れさせたかっただけ。
「ごめんなさい、事故の後遺症で…」
「そっか。よかったよ」
「え…?」
宝箱に入っていたカラフルなダイヤモンドを運び終えた美術室にて。
早乙女 燐はホッとしたようにつぶやいて、私に振り返った。
よかったって……なにが…?
「よし、これで無事に任務は遂行っと」
「…真冬くんとエマちゃんはどこにいるのかしら」
「まぁ…無事に早瀬さんが捕まえてるだろうね」
エマちゃんが途中で落としたのだろう宝箱の鍵を拾って、私は早乙女 燐と校舎を回っていた。
安易に別行動するわけにもいかなかったし、真冬くんはすぐにエマちゃんを追いかけて行ってしまったから。
私は婚約者だった男と普通に話している今。
「アリサ、俺のこと本当に覚えてないの?」
ここはもう通すしかない。
私だって好きでもない人と結婚なんかしたくないって、ずっとずっと思いつづけてきた。
だって私の好きな人は小さな頃に許嫁だった男の子で、だけどそれは断られちゃったから。
それでもまた会えた今、あの子から離れさせたかっただけ。
「ごめんなさい、事故の後遺症で…」
「そっか。よかったよ」
「え…?」
宝箱に入っていたカラフルなダイヤモンドを運び終えた美術室にて。
早乙女 燐はホッとしたようにつぶやいて、私に振り返った。
よかったって……なにが…?



