「…す、好きにすればいいじゃんっ」


「えぇ、好きにします。ですので一応は知らせておこうかと」



なにそれっ!!なんだそれ……!!

そんなの一々言ってくるとかハヤセって空気読めないの…!?


わたしが嫌っての知ってて言ってるんだからこいつ!!

どうせ心の中はわたしの反応を見て笑ってることだ。



「やっぱり…わたしなんかよりお姉ちゃんのほうがいいよねっ」


「アリサ様は常に冷静で落ち着いておられますからね」


「うんっ!!そんなの知ってる!!わたしがいちばん知ってる!」



才色兼備の秀才。

その言葉はきっとお姉ちゃんのためにあるんだってくらいにピッタリで。



「フルーツは飛ばさず食べますし、物も壊さず大切に使いますから。花瓶を割ったことなど1度もありません」


「っ…、うんっ」



知ってるよ、そんなのするのなんかわたしくらいしかいない。

そんなの知ってる。
誰よりも誰よりも知ってる。


ハヤセなんかより、わたしのほうがお姉ちゃんのすごさをいっぱい知ってる。



「茶道も簿記もフランス語も、その他の教科だってすべてが首席です。すごいですね」


「…うん、」



そうだよ、お姉ちゃんってすごいんだよ。

それがわたしの自慢だもん。