当たり前だ。
あんな下衆なこと言われて、そしたらほっぺにキスなんかしてきて。
変なこと言ってきて、今は抱きしめられてる…?
なにしてるのこの人。
それで何がしたいの、この人は。
「ひゃぁ…!」
「…お、いいね。その反応は最高」
ニーハイから覗く太腿を撫でてくる。
悪寒に嫌悪感、すごく気持ちが悪くてゾゾゾっと背筋が一気に凍って。
「ごめんって。そんな泣かせるつもりじゃなかったんだよ俺も」
だから泣かないで?なんてよく言うよ…。
そんなの言われたって今更すぎる。
「なんならキスでもしとく?すっごい気持ちいいの知りたくない?」
「っ、いやだ……っ」
なんでそんな言葉を簡単に言えるの…?
わたしがあなたの性処理道具だから?
そんなの勘弁して欲しい、望んでないし求めてもない。
こうしてハヤセ以外の人に触られるのがこんなにも気持ち悪いなんて…。
ドンッと強く押してまでも腕から逃れて、呆然と立ちすくむ執事へ必死に手を伸ばした。
「うぅ…っ、ハヤセ……っ、ハヤセっ、」
そんなわたしの姿にハッと我に返ったらしく、迷うことなく腕を掴んでくれる。
ふわっと宙に浮いた身体は軽々と抱き上げられていて。



