「お前が柊 エマ?」



目の前に立った金髪。
キラキラしてる、金髪。

サラサラして透き通ってて絹糸みたいに綺麗だ。それに顔も整ってやがる……。



「……そう、…ですが、」


「は?冗談だろ?」



冗談じゃないわっ!!
本人だわ!!

保険証見せる!?学生証あるよ!?



「アリサの代用品にしてはショボすぎ」


「……」



うるせぇ黙れバカ。

代用品ってなに、ショボいってなに…。

…そんなの知ってるもん。
誰より知ってるもんっ!!



「俺こんなのと結婚とか無理なんだけど」


「じゃあしないっ!わたしだって嫌だお前みたいなやつ!!」


「こら柊さんっ!!あなた何てこと言うのよ……!!」



あ、怒られちゃった。

でもそんなの知らない、最初に失礼なこと言ってきたのはわたしじゃないもん先生…。



「へぇ、ちょっと面白いじゃん」


「わっ、んむっ!」



ほっぺを挟まれるように掴まれた。

だからガブッと噛んでやろうと思えば避けられて、仕方なくベーッと舌を出してやった。



「なにこいつ、わんちゃん?犬?躾がなってなさすぎだろ」