「行く!春休みに行こうっ!」


「はい。楽しみにしています」



庶民的~と、クラスメイトの声なんか聞こえないふり。

けれどハヤセが本当に楽しそうにしていれば文句もないだろう。


ファミレスだって、わたしと同じくらい楽しんでいたのはハヤセだ。



「ねぇハヤセ、わたしもメイクしたいな…」



ふと、言ってみた。

どんな反応してくれるかなって気になって。



「…エマお嬢様は十分すっぴんでも可愛らしいですよ」


「えーっ、わたしだって高校生だよ?ハヤセならメイクだってできるでしょ…?」



今だってメイク直しを執事にさせているクラスメイトだっているから。

Sランク執事のあなたならお茶の子さいさいのはず。


それなのに首を縦に振らないハヤセ。



「では髪が少し伸びてきましたので、違うアレンジに致しましょうか」


「えっ、いいの!?やってやって!」



うわーー単純ーーー。
って、周りは思っていることだ。

いいの単純でっ!


スッと拾われる髪の毛、大人しく座って5分もしないうちに新しいヘアアレンジは完成してしまった。



「かわいいっ!ちょうど前髪伸びてたからラクになった!ありがとうハヤセっ」


「お気に召してもらえて何よりです」