たくさん落ちていた枯れ葉を両腕いっぱいに抱えて。
そしてしゃがんだハヤセの頭上、広げるように放ってヒラヒラ舞わせた。
「誕生日おめでとう!!21歳っ!!」
いつ言おうかなぁってタイミングをずっと計ってた。
このあとの予定では、コックさんにサプライズでケーキを頼んでいるから、そのときに言うパターンが有力だったけど。
でも、どうしてか今が一番だって思っちゃった。
色とりどりの花じゃなくて、茶色くて地味な葉っぱだけど、それすらもわたしらしくて。
「やっぱり何か特別な物が欲しかったりする…?それだったらまた言ってくれれば、ぜんぜん用意するから…!」
なにが良いのか分からなくて、ハヤセは今の時間を望んでくれちゃって。
今まで執事が続いたことがないわたしが執事の喜ぶプレゼントなんか知ってるはずもないから。
これしかできなかったけど…。
「それとこれ!四つ葉も見つけちゃった~!」
落ち葉に隠れてしまわない緑色を差し出せば、「…3つ目だ」とつぶやいたハヤセ。
3つ目…?
そんな言葉になぜか懐かしいデジャヴを感じた。



