「やめて欲しくない…、やめないで、おねがい…」
「なに?」
ぜったい聞こえてる、それなのにずいっと近づいてくる……。
確かこーいうときは名前で呼ぶんだっけ…?
「ま、マフユっ───うひゃっ…!!」
うわわわわっ!!
今度は抱きしめられちゃった……!!!
なんかもう色々よく分からない…っ。
悲しくて泣きそうなのに、嬉しくて胸がドキドキしちゃってる…!
「…すみません。少々おいたが過ぎましたね、エマお嬢様」
「は、ハヤセ…っ、いつものハヤセ…?」
「はい、ごめんなさい。つい楽しくなってしまって。エマお嬢様が可愛すぎるものでしたから」
なにそれっ!
というかわたしは今もどんな反応をすればいいの……!
ハヤセだから乱暴なほうもハヤセだもん…。
なんか上手く使いこなしてる感じがすごくズルい。
「辞めませんよ俺は。だって最初に約束しただろ」
「混ざってるぅぅぅっ」
「ふっ、可愛くてたまんねえわ。エマお嬢様」
これはだめ、こんなのダメ…。
誕生日だからって許せることと許せないことだってあるんだから……!
でも良かった…。
本当に嫌われちゃったかと思った…。



