俺の言うとおりにしてください、お嬢様。





「どう!?上手!?」


「あぁ。ナイスパス、だな」



だってなんかこれって……デートみたいだ。


公園で若い男女が2人でサッカーしてて。

周りには同じようなカップルがバドミントンしてるもん。



「じゃーん!わたしおにぎり作ってきたよ!」


「───…すごいですね、エマお嬢様の手作りですか?」


「あ!執事でちゃってるっ」


「…悪い。びっくりしてつい」



これはサプライズだ、完全なるサプライズ。

もしかしたらどこかに出かけるかもしれない……と、予想して朝早くに起きて作ってた。


それが大当たりだった今。



「わたしの手作り!だから味は保証しないのと、…お嬢様のくせにおにぎりって思っちゃだめだよ?」


「思うわけない。…ありがとう」



あ、…なんか恥ずかしいかも。


公園脇にあるベンチに並んで腰かけて、コツンと肩が触れ合って。

それでもハヤセも離そうとしないから。



「…うまい。ほんとは料理得意なのか?」


「得意なわけないっ!」


「……ふっ、どうやって作ったんだよこれ」


「勘!!」