じゃあその日はわたしがハヤセの執事になるってことで、容易いご用すぎて逆にワクワクしてきた。
「わかった!ハヤセの誕生日はわたしをあげるね!!」
「……言ったな」
「えっ」
「楽しみにしています」
いやいやいや!!それっ!
今の!!サラッと言った低い声……!!
そんな普通に言い直さないでって!
隠せれてないからね何も……!!
……でも、これも誕生日が近いから許そう。
「おはようございますっ!ハヤセ様!」
「……おはよう、ございます」
「朝ごはんの準備ができましたよっ」
そして───12月24日の朝。
昨夜からずっとずっと言い聞かせていた。
この日は立場を逆にさせるから、わたしが起こすところから始めるって。
そしてもちろん冬休みだから学校もお休みのため、彼のお願いをじっくり聞くことができるのだ。
「ジャムはどっちが良いですか!」
「…オススメなほうを、お願いします」
「ならこっちですね!塗ります!待っててくださいっ」
パカッと瓶を開けて、ジャムナイフを使って塗り塗り。
…それはもう雑にジャムが塗られたパン。



