学祭2日目。


今日は一般客も参加だから、保護者や他校の生徒がたくさん来ていて、なんだかそわそわしてしまう。




開始早々、ガクバケのお化け屋敷は長蛇の列。


多目的教室を担当した私たちのグループは、当日もやらなきゃいけない仕事がある。


2人1組で多目的教室の中に隠れて、お客さんが入ってきたら心霊写真のテレビをつけて、いなくなったら消して、入ってきたらまたつけるっていうエンドレスな仕事。


1時間で次の組と交代制で、それが終わればあとは自由。


私はヨッコと一緒の組で、順番はまだまだだから今は自由時間。


今は確か、山本先輩と桑野が一緒に隠れて仕事をしてる。




「高橋」


「、…」



1年3組の教室で、男子たちが女装するメイドカフェを見ていたら、


横に、きくりんが立った。


どんな顔で会えばいいのかわからないから、少し俯きがちに、きくりんを見る。



「今、暇?」

「え、?」

「暇だよね、どう見ても」

「、…」



見るからに暇そうな私を見て、きくりんが笑う。


暇だったら、なにを言われるんだろう……


昨日の今日で、きくりんが私になにを言うのか……想像もできない。