待ち合わせ場所のカフェに現れた彼は少し不機嫌だった。真っ黒なサングラスで表情が隠れていてもわたしには分かる。伊達に四年もの時間を裸で抱き合ってきた訳じゃない。

 わたしのために忙しいスケジュールを無理に調整してくれたのだろう。でもそんなこと知るもんか。わたしは太陽の下でデートをしたいんだ。

 彼の不機嫌の理由は明白だった。彼は誰かに目撃される危険性のある昼間の逢瀬が大嫌いなのだ。