それだけ考えて私はメモを机に収めた。

休憩時間も残り少ないし本でも読んでいようかな。

「ま、真彩…」

私が本を開こうとすると声を掛けられた。

「…え……神谷くん?」

私に声を掛けてきたのは神谷くんだった。

私としてはあんまりおしゃべりはしたくない相手だった。

「どうしたの?」

私がそう言うと神谷くんは気まずそうに目を逸らした。

そんな反応するならなんで話し掛けてきたの?

私の頭の中にはそんな疑問が浮かんだ。

「あ……えっと、大丈夫…か?」

「……なにが?」

私は何のことか分からず質問した。

「いや…さっきから、何か悩んでるみたいだったし…。」

「…それで、わざわざ話し掛けてくれたの?」

私がそう聞くと静かに頷いた。

そうだ…忘れてた。

神谷くんは元々優しい人だったのを。

「あの…じゃあ、ちょっと相談に乗ってくれない?」

私がそう言うと少し嬉しそうに笑って頷いてくれた。