◇◇◇千里◇◇◇


 『お前もたまには疲れた顔をするんだな』


 「ったく、俺は鉄人かよっ」


 『でーどうなったあれから、あーでも聞くだけ野暮か!、お互い仕事がハードだったからな』



 俺は溜息を付きながら

「行方不明なんだよ!」



 塚本は、は〜と言いながら、何を言ってる?っ顔してる。


 俺は、塚本に話しを始めた。


 久しぶりに親父の病院へ行けば彼女が仕事を辞め引っ越していたこと。


 唯一彼女で仲の良かった先輩もご主人の転勤で辞めていたことも…



 知りたくても手がかり無い。



 どうしていいか分からない、逢いたくても会えない…



 顔が見たい、声が聞たい、それが出来ない、この俺がここまで溺れるとは。



 どこにでもいる普通の女のコなのに、何故こんなに惹かれるんだ。普通だからかも?そして何よりあな笑顔かもな。



 シンガポールで見たあの笑顔!




 あの笑顔が見たい、太陽ような笑顔!