「まぁまぁ、恭介にも事情があるんだから、そう一方的に詰め寄ってやるなよ」

 救世主のごとく誠が現れ、僕はあっさりと解放された。

 やはり持つべきものは親友だ。

 仕方なく集まった彼らに事の経緯と状況を説明した。

 元々紗里とは従姉弟同士で子供の頃は仲が良かったことと、僕が母子家庭であること、火事で住む場所をなくしたため、一時的に住まわせてもらっていることを話すと、彼らは納得し、大いに同情してくれた。

「すまん、恭介っ、そうとは知らずに」

「……いや」

 さっきの半泣きから一部号泣に変わるので、非常に反応に困った。

 ……疲れる。

 一度どこかへ消えた紗里だが、数分で戻って来てまたみんなの視線を集めた。

「大丈夫?」と問いかけ、どこかからかうような目で僕を見てくる。

「赤城さん、恭介に何か話があったんじゃないの?」

 やにわに誠が、紗里に声をかけてハッとする。

「うん、今日一緒に帰ろうって言いにきただけだから。良かったら友田くんも途中までどう?」

「……あ、うん。じゃあ下駄箱んとこで待ち合わせな?」

「オッケー」