「優奈〜帰ろ!」

「うん!帰ろ!」

靴箱へ向かうと、前から悠介が歩いてきた。
それに気付いた紗枝は私の手を引いて横を通り過ぎた。
すると悠介が、

「優奈」

「なに、優奈に何か用?」

紗枝がいつもとは違う口調で答える

「俺、ずっと優奈に謝らなきゃって思ってた。前から優奈の気持ちに気付いてたのに...」

「別に...」

なんて答えよう。これ以上傷つかないためにはなんて答えるのが1番だろう。

「別に悠介のこと好きじゃなかったから。悠介の勘違いだよ。あの人とお幸せに。それじゃ」

私は紗枝に「先に帰るね」と言い、先に帰った。

これでいい。
完全に忘れたわけじゃないけど時が経てば忘れられるはず。
きっと...忘れられる。

そんな私たちの会話を見ていた人物がいた___