それはかなりハードルが高い。
真は見るからに知性の高そうなスッキリとしたハンサムな顔立ちに、高身長、成績もトップ。

しかも、朝倉コーヒーの創業者の孫だ。
おそらく、真が跡取りになるだろう。
その上を行くって、ハードルが高過ぎて、男なら引くと思う。

俺だって、勝てる気がしない。
いつも泉の一番は真なのだ。俺じゃない。

でも、あの時公園で、有耶無耶にされてしまったとはいえ、俺は自分の気持ちを伝えた。
『付き合えない!』 
とは言われたけれど、好きじゃないとは言われていない。

ちゃんと誕生日プレゼントのフィギュアも喜んでくれるし、真がいつも一緒にいる状況では、俺の告白を聞いてもらうだけで精一杯だったと思いたい。

いつか絶対、俺が泉の一番になる!

そう誓って、清く正しい高校時代を過ごした。