イベントホールの廊下は、すでに客足が途絶えていた。
出口のところには撫子と亜希さんと達矢さんがいて、私達を待っててくれていた。
3人の顔を見る限り、ここにも違う達成感があった。

「泉っ!!
もう、サイッコーだった!!」

「やっぱり実写版の威力はすごいな!
君たち監督の指示を超えていたよ! 」

「ときめきって、こういう事よね〜。
相変わらずドSな決めゼリフ、キュンキュンしちゃった〜。
ああ、私があのイズミのヘアメイクをしたなんて! 」

ドS……

まあ、双子国民に楽しんで頂けたのなら何よりだ。

イベントホールを出たところで記念写真を撮り、モザイク画の解体作業を手伝うため、京は早々にHASEGAWAのブースへ戻って行った。

私達もバンクロのフィッティングへ着替えに戻ろうとしたところで

「あの! ちょっといいですか!? 」

と、後ろから声が…
振り返ると、どこかで見た事のある、若い男性が立っていた。

「少しだけお時間いいですか? 」

「君はポラリスの……」

ポラリス?
あ! お通夜で親族席にいた人?