「お前、そんな格好で目をキラキラさせるな! 」

「ほっといて。
泉がイズミだったのよ!?
もう〜〜感動なんですけど〜〜!!」

ダメだ。
撫子が壊れた。

「実はこのドレスさ、ブライダルフェスティバルが始まる前から問い合わせが殺到してるんだ。
うちがここに飾った日に、誰かが写真を撮ってSNSにアップしたらしい。
ちょっと

#双子国民
#イズミウェディングドレス

で検索してみて! すごいから!
バズってから、全国にいる双子国民に
『試着は出来るのか』って問い合わせがめちゃくちゃ多くてさ。
このドレスを見るためだけに、ブライダルフェスティバルに来られるお客様もいるんだ。
もうとんでもない反響だよ」

「はぁ?
そんなのダメに決まってる!
これは泉のドレスなんだぞ!
達矢さん、断ってください!!」

「け、京……」

「そうよ。泉以外の人が着るなんて許せない!
たっちゃん断って!! 」

「ちょっと、ナコまで……」

これって、私のドレスなの??

「もちろんだ。他の人が着ることはない。
誠さんからお預かりした時に、これだけは守るようにって言われた。
『このドレスは泉のためのものだから他の誰にも着せてはいけない』
ってね」