周りを見ると、顔を赤らめて見ている女性がチラホラ。
あれは多分、環と同じ事を考えているはず……。

「環、これ例のものだ。賢人くんに渡してきて! 」

そう言って、持ってきた大きな箱を環に差し出す京。

「あ、うん! わかった! 」

きっとフィギュアだな。
後で見るのが楽しみだ。




お式は冒頭から、涙脆い新婦の父と新郎とのやり取りで、笑いに包まれていた。
花ちゃん、愛されてるな〜。

誓いのキスは仁貴くんの飛び入り参加で、微笑ましい場面に。
なんて素敵な家族なんだろう!

私もいつか、隣にいる人と……。
そう思って、京を見上げた。
気付いてくれた京が私の左手に指を絡めてくる。少し屈んで私の耳元に口を寄せる。

「今日の泉、すっごく綺麗だ。
早く抱きしめて俺のものにしたい」

うわ……反則だよ……。
いつかを夢見ている時にそんなこと言われたらキュンとしちゃう。

「……やっぱもう一体作るか」

ん?

「あれから4年経ってるんだ。
今の泉を残さないと! イテッ」

もうっ!
京のばかぁ!
キュンを返せ!

思いっきりつねってやった。
相変わらずのオタク発言に気が抜けたわ。