「うん……。
……あのね、環からさっきのこと聞いた」

「……心配かけて悪かった……」

「ううん……良かったね、真」

「……俺は、勝手に自信をなくして、劣等感に苛まれていただけだった。
入社した時は、下積みだって大切なことなんだから何だってやってやる、って気持ちでいたはずなんだ。
でも社会に出て、いつのまにかそんな事忘れて、ずっと無力感を味わってた。
何も出来ない自分に焦ってた」

真……

「社会人2年目なら今の俺って当たり前、何も出来なくって当たり前だって、伯父さんに言われたんだ。
……それでも、俺が必要だって言ってくれた。
今まで、地味だと思ってた俺を、得難いものだって、そう言ってくれた」

「……うん」