「山根さんと加藤さんのおかげです。
それに、部長が絶対にいけるって言ってくださったから……」

「部長、お疲れ様です。
我等が王子、やりましたよ」

山根さん……

「こういう色の計算って、俺達には全く理解出来ないんで、言われた通りに組み立てていっただけなんですが、出来上がってびっくりですよ。京のやりたかったことがやっとわかった」

「あとこいつ、ショーケースの魅せ方が抜群に上手い」

「ああ、俺もさっきから思ってた。
京が並べるところを見てたら、宝物を並べているみたいだった。
そりゃ菓子が輝くよな。
京はHASEGAWAの菓子が本当に好きなんだなぁ」

「俺達も見習わないとな」

加藤さん……山根さん……

「……何も心配なかったな。
本当は、パリから連絡があったんだ」

「パリ」

父さんか……

「心配されていた。
今回のプロジェクトは、まだ2年目の京くんには厳しかったはずだから。
でも、杞憂だったようだ。
京くんからも、後でメールを送っておいて。
喜ばれると思うから」

「……はい。ありがとうございます! 」