朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜

「でも俺は、何も出来ていない。
ただ言われた通りに店舗勤めをして、その中で企画が生まれたわけでも、新しい淹れ方を発見したわけでもない。
……なあ、ずっと思ってたんだ。花は社長の娘なのに、女の子ってだけで、跡継ぎから名前が外されていた。
花は朝倉を継がなくて良かったのか? 
継ぎたいと思わなかったのか? 
……今さらかもしれない。
でも、結婚して名前が変わったとしても、社長の娘である事は変わりない。
朝倉を継ぐ事はできるよ。
育休が終わったら職場復帰するんだろう?」

「そのつもりだけど……。
でも、真くん……それは違うよ?」

「俺は……社長の考えをそのまま受け継いでいる花の方が、跡継ぎにふさわしいと思う」

「真くん……!」

俺の突然の話に、花が戸惑いを見せた。
当然だろう。この場にふさわしくない上に、内容が重い。

いつの間にか、俺達の会話が聞こえたのか、周りは静かになっていた。