「フフフ、愛と選んだの。
愛言ってたわ。
多分これ、すっごく泉ちゃんの好みだって」

うん。どストライクだ。
可愛いものに弱いのよね。
実は私の部屋も、花柄で溢れている。

「じゃあ次にはなれのリフォームをする時は、もっと可愛くて華やかな雰囲気にしたいわね! 」

「は、はい……」

えーっと、それは私が一緒に住むこと前提よね?

いや、もちろん両家公認で交際して、毎週のように泊まりに来ているんだから、こんな話が出てもおかしくない。

「泉ちゃん、お腹空いただろう?
BBQだからね。どんどん肉を焼くよ! 」

今日は社長…斎おじ様が自ら腕を奮ってくださるらしい。BBQだけど。

あれはさつまいものホイル焼きかな?
BBQの時のさつまいもバターって最高に美味しいのよね〜。

「おじ様、私お手伝いを……」

「いいから美央の相手してやって。
泉ちゃんに会いたくて待ってたんだから。
京、お前はこっち来て手伝え」

「……はいはい。
俺より泉ばっかだな……。
さては母屋に帰れ帰れって言ってたのは、泉が目当てか? 」

京が拗ねている。

「当たり前でしょう?
息子に会いたけりゃ、夜中にでもはなれまでいくわよ。京ったら、いつも泉ちゃんを独り占めしちゃってさ。
私だって娘と遊びたいの!
ホント、愛が羨ましいんだから」

美央おば様ったら、散々な言いよう……。
京がこれ以上拗ねなきゃいいけど……。