「社長……達矢のお父様が、私なんかのために頭を下げてくださって……。
息子と結婚してやってくれって。
もう勿体ないやら、申し訳ないやらで……。
私は達矢のためを思って控えていたんです。
会社のためにも、達矢のためにももっと良い人がいるはずだと思って。
でも、お父様がそんなことは全く気にしなくていいって仰ってくださって、やっと素直になることが出来たんです」

「それは……おめでとうございます」

達也さんも、何も動いていないってわけではなかったんだな。
父親を説得したのか……。

「真くん申し訳ない。
亜希にもちゃんと結婚の話をして、親父にも亜希の話をして、正攻法で進めようとしたんだ。
前にparkside Aで話した時から、これでも反省してて。
昨日OKをもらって、俺が亜希と結婚すれば、ナコちゃんとの誤解も解けるだろうって、軽く考えてた」

「達矢さん、俺に謝る必要はありません。
あなたが謝るべき相手は撫子です」