「それより、亜希、ナコちゃんから真くんの話を聞いてたのか？ 」

「え、あ、うん…まあ……」

なんだよこの反応は。
ろくな事話してなさそうだな…。

「……すみません。
話しかけておいて失礼なんですが、そろそろ戻らないといけないので、達矢さん連絡お待ちしています」



◇◇



午後7時
達矢さんが定宿としているホテルのラウンジで待ち合わせることにした。
亜希さんと現れるのかと思っていたが、現れたのは達矢さんのみだった。

「食事時ですし、手短にお話します。
姫の件です。撫子から現状がどうなっているか、聞かれてますか？」

「いや……最近はなかなか顔を合わせることがなくて。桐野屋さんと仕事が被らないって、今まであまりなかったんだけど……」

何を呑気なことを言ってるんだ。