それまで京のことは、幼馴染というよりはもっと近い、兄弟のような存在だと思っていた。

でも、このアニメを見ていると、京を意識してしまう。

今思えば、これが京への恋慕の始まりだった。

京にあんな風にキスされたらどうしよう! 
抱きしめられたら? 

……なんて、いつもドキドキしながら京と接するようになっていた。
もちろん、そんなことは一切顔に出しはしないけど。

だから私の初恋は、長谷川京なのかユリウス・ケイなのかわからない。

でも、結局は私の中では、同一人物だったのだろう。

京が好き。

その気持ちは、もうずっと幼い時から育まれてきたものなのだと思う。きっとあの、小麦粘土のお菓子をもらった頃から……。

アニメは、ただ気づかせてくれたきっかけに過ぎなかった。