アニメの中で、ユリウス・ケイはイズミにベタ惚れだった。

最初はツンデレだったはずなのに、いつの間にか一切想いを隠さないようになっていた。

ユリウス・ケイのイズミに対する振る舞いを見せられると、さすがに私も意識してしまう。

そう、『双子戦士』は、小学生が見るにはかなり恋愛レベルの高いアニメだったのだ。

そりゃそうだ。
毎週必ずユリウス・ケイは、傷つき、気を失ったイズミをこっそり助け、お姫様抱っこをしたり、こめかみにキスしたり…
ユリウス・ケイを避けるイズミに、バックハグを仕掛けたり……。

……なんてことするのだから、思春期の入り口に立つ小学生には刺激が強い。

正直に言うと、私も他に漏れず、キュンキュンしながら観ていた。

だから母と観るには恥ずかしくて、録画したものを親友撫子の家で観ることが多かった。