一体なんなんだ。

ワンサイズ？ いや、ツーサイズは大きい、体に合わないスーツを着て、どう見てもオバサンにしか見えない髪型をしている。
おまけに両目共1.5といつも自慢している目には、全く似合わない銀縁のメガネ。
今年24歳になる若い女性のする格好じゃない。

俺にセンスがないと揶揄ったくせに、とんでもないセンスの無さだ。

「お前…なんなんだ？ その服は……」

「いくつに見える？ 」

「……プラス20……」

「フフフ、大成功ね！」

「なんなんだ、一体。
似合ってないぞ」

「でも有能な呉服屋の社員に見えない？ 」

そう言われてみれば、クソ真面目そうで、でも信頼のおけるぴったりな格好な気もするが、これは撫子じゃない。

「とりあえず、カフェラテ。
あと食べてないから、何かつまめるものあるかな？ 」

「この時間はリゾットしかない。
今日は4種のきのこのチーズリゾットだ」

「あ、じゃあそれで。
今日は何か新作出来るの？ 」

「……出来る」

「じゃあ楽しみにしてるね！ 」