「京くんいらっしゃい。忙しいのにごめんね。
ご飯は食べたの? 」

「いや、まだです。
仕事が終わってそのまま来たから。」

「手羽元のカレーならあるんだけど、食べる?」

母の手羽元カレーはもちろん真の大好物だ。
久しぶりに帰ってきた長男の好みに合わせたメニューはいつもの事。

「食べる!
わ〜美味しそうな匂いがしてる」

リビングダイニングに入ると、既に環と宣がカレーを食べていた。

「京くんいらっしゃい」

「あ、ごめんねー。
疲れてるところ来てもらって」

「いや、全然大丈夫だけど」

「私は食べ終わったからここに座って?
お姉ちゃんも」

とりあえず、私達はカレーを食べることにした。
柔らかく煮込まれた手羽元は、スプーンを入れただけでほろほろと骨から崩れる。

食べながら、今日の集まりの趣旨を聞く。

「今日集まってもらったのは、花ちゃんの結婚式のことなの」

「ああ! 確か8月だよな? 」

「うん。8月11日ね。
で、今のところガーデンウエディングって事が決まっているだけで、特に何も余興はないらしいの」