「姫依さん……それはお断りしたはずで……いや、本当にもう失礼します。連れが待ってますので」

私達が聞いていていい話なのかわからないけれど、これだけ近くだと聞こえてしまう。どうやら両者に認識の違いがあるようだ。

「どうしてよ!
こんな地味な女がいいの?
私の方がずっと綺麗じゃない!
親戚だかなんだか知らないけど、情に流されているだけよ。目を覚ました方がいいわ!」

親戚って……撫子の事?
え? 達矢さんと撫子って、そういう関係なの??
それにしても、沢山の参列者が、何事が起きたのかと注目し始めた。
この状況は非常に良くないと思う。