「そっか。じゃあ………開いているカフェでいい?
それともアルコールが飲めるところの方がいいかな?」

「いえ。お酒はさっき少し頂いたので。
コーヒーの方がいいです。」

「わかった。
……ナコちゃん、もう仕事は終わったんだから、普通でいいよ。昔みたいに親戚のお兄さんで。」

「……いいの?」

「もちろん」

私が中学の時に兄が結婚したので、その頃はお互い中学生と大学生の学生だった。
格好いい大学生のお兄ちゃんが出来たみたいで、すごく懐いていたんだよね。
もちろんタメ口で。

「フフフ……じゃあ、たっちゃん、美味しいコーヒー飲ませて?」

「はいはい。ナコ姫、参りましょう」

「もう! たっちゃんの方が丁寧じゃない!」

「ハハハハ、いや、大きくなったなぁと思ってさ。元から可愛い子だったけど、最近は磨きがかかったように綺麗だし。
俺もその分歳とったんだって思った」

「たっちゃん、眼鏡男子だから落ち着いて見えるけど、取ったらイケメンさんですごく若く見えるの知ってるよ?」

「ひょっとして、バレてる?
眼鏡の理由……」

「まあ、なんとなく……」

眼鏡を取ると20代前半の大学生にしか見えない童顔の達矢さん。年齢的に信頼を得やすいように、眼鏡を最大限活かしているんだろうと気づいていた。