「ちょっとなに?  赤くなっちゃって」

「い、いや、別に赤くなんて……」

頬が熱い気はするけど……

「ふーん。思ったより、いいお付き合い出来てるんじゃないの?
カラダだけとは思えないんだけどな。
……でも、本当に大切な存在なら躊躇わずに気持ちを伝えた方がいいわよ?
意地張って後悔する前に」

「は、はい……亜希さん…?」

何かあったんだろうか…
一瞬、亜希さんの笑顔がとても寂しそうに見えた。

「私の場合、恋愛よりは仕事……というか、今はまだ、自分のことを頑張りたいと思ってるんです」

「仕事かー
そうだね。ナコちゃんまだ若いもんねー」

亜希さん自身の話が気になったけど、宴席で根掘り葉掘り聞くのもどうかと思い、質問は控えた。