朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜

「まさかこんな立派なホテルに1泊出来ると思わなかったから、私はラッキーだよ。
ここ、昨年オープンして、ランチビュッフェが美味しいって有名なところなの。なかなか予約が取れないお店なのよ。1度行ってみたいねって、泉と言ってたの。
それに宿泊階がこんなに綺麗だと思わなかったわ。こんな機会がなければ、お部屋を見ることもなかったよねー。
真のおかげだわ」

そんなに人気のホテルだったんだ。
全く知らなかった。

「シャワー、先に入らせてもらったけど、真もどうぞ?
私はもう少し寝かせてもらう。
まだちょっと怠くて」

「わ、わかった……」

俺に喋る隙を与えず、サクサクと決めてしまうのはいつもの事だ。

正直、意識してしまうのは仕方がないと思う。

ホテルの一室に男女2人きりで、しかも深夜と来ている。今さら家に帰ることも出来ない。

でも、撫子は通常運転だ。

妙にホッとして、俺はシャワーを浴びることにした。

上がったら、ソファで仮眠しよう。



しかし、想定外の事が起きる。