「……お前、いいのか?」

「何が?」

「いや……さっきから泉、男どもに声かけられまくりだぞ」

「は? なんだよそれ⁉︎
お前兄貴だろ? 阻止しろよ!!」

「阻止してた。けど俺も周りがうるさいんだよ。泉と離されて、やっと女達まいてきたんだ。
お前が離れるからだろう?
ボーッと邪な目で眺めてばかりいないで、自分で阻止しろよ。
保留中とはいえ、お前の役割だろ? 」

「……うっ……わ、わかった」

そう。
京と泉はまだ付き合っているわけじゃない。
保留中の間柄だ。



高校3年の3月、俺達は無事、第一志望の大学に合格した。

遡ること少し前、京が泉に再度告白したのは、卒業式の日のことだ。

けど……。