さっきから、しきりに話しかけてくる女が2人。まずい事に、名前が思い出せない。なんとか乗り切るしかない。

宴会場ので入り口付近に、ようやく京を発見する。近寄ってみると、何やらぶつぶつと一人呟く声が……。

「美しい……。
美しすぎるっ!
さっきも写真をたくさん撮ったが、後で全方位撮らなければ。
最近購入した最新の3Dプリンターで精巧な泉を作った後、あの振袖の素晴らしい模様をそのまま描き入れよう。
フッ……腕の見せ所だな。
……2体、2体だ。
よし! 今回は時間がかかっても、同じものを2体用意しよう。
1つはもちろん俺のコレクションだ。
もう1体は朝倉のご両親にプレゼントしよう。愛先生がきっと喜んでくれるはずだ。
泉というかけがえのない存在を生んでくれた愛先生に感謝の意を捧げるんだ。
……はぁ、美しい……」

こいつ……大丈夫か?