無彩色なキミに恋をして。


わたしのせいで怪我をさせてしまったのに
そんな気を使わせてどうするのよ。

「ううん、たまには甘えて。
 わたしに出来る事なら
 なんでもしたいから」

今度は慌てる事なく真剣に真顔で伝えると
彼の方が一瞬、困惑したようだったけど
『ありがとうございます…』と
ドアを大きく開け、わたしを招き入れた―――


わたしの泊まる部屋とは違い
そこまでの広さはなくビューバスもない。
けれど窓から見える景色は
やっぱりすごく綺麗。

室内にはテーブルと3人掛けくらいのソファにテレビが完備
隣の部屋にはダブルサイズほどのベッドが1つ。

なんなら
わたしがここが良かったくらい。

「着替えと…
 シャワーとかは平気?」

「そう…ですね。
 着脱さえ出来れば入浴はなんとかなるかと…」

「わ、わかった」

ソファに腰掛ける燈冴くんの前で立膝をし
彼と目線を合う位置でシャツのボタンに手を掛けた。



いざとなるとドキドキしすぎて手が震える。


緊張しているのはわたしだけなのかな。
燈冴くん全然普通そうだし・・・

って…
瞬きしないでずっとこっちを見てる!
余計に外しずらい…。

長く一緒に住んでいるとは言え
彼の部屋に入る事はなかったし
そもそもこんな”奉仕”みたいなのも初めてだもん。

緊張するなって方が無理だ。