目の前には妖しく誘惑な瞳でわたしを見つめる燈冴くんは、時折キスをしながらわたしの洋服に手を伸ばしていく。

今から何をするのか
言わなくても、体が反応する。
だけどこの、奥がキュンとするこの感覚は何なんだろう…
どうしたらいいかわからなくなる…

「大丈夫…俺に委ねて。」

緊張が伝わったのか優しく囁いてくれるから
わたしは首を小さく縦に振って応えるしか出来ない。

「んッ」

燈冴くんの手が腰から直接触れられて
反射的に体が反応してしまい
くぐもった声が漏れ、ピクリと体が跳ねた。

前にも1度だけこんな事があったけど
あの時とはまた違う、甘い熱を感じてる…

それに今は
もっと…って言いたくなるから…

「燈冴くん…ッ」

前と同じように、同じ場所を
今度は執拗に攻めてくるから
その度、ゾクゾクしたものが沸き上がって
自分でも信じられないくらい甘い声が出てしまう。

なのに本人は気にする様子なんて全然なくて
むしろそれがスイッチみたいになって激しくなっていくのがわかる。

”身を委ねて…”

固まって動けないわたしは
言ってくれたその言葉だけを頭の中で繰り返して
彼から貰う全てを感じていた。

ただただ…幸せすぎて。
それを全部、体で感じている。

だから初めて見る燈冴くんの切羽詰まった吐息だったりまで幸せなのかもしれない。


「好きです…緋奈星さま…ッ」


その声にわたしも一緒に
甘美の世界へと堕ちていった――――