プレゼントの箱から取り出されたアンクレットを
燈冴くんはわたしの足首に静かに優しく着けてくれる。

目線を足へと落とす彼から目が離せない…
仄かに当たるオレンジ色の光に映ると表情が
とても綺麗で、カッコよくて…見惚れてしまう。

キス…したいなって、、、―――


「着け終わりましたよ」

「あッ」

つい変な事を考えてウットリしたら
燈冴くんが急に顔を上げるから少し驚いてハッとした。

「う、うん、ありがとうッ」

目が合った瞬間、恥ずかしくなって俯いたのは
変な事を…考えてしまったから…

キスしたいなんて
何わたし思っちゃんだろ…

「どうかしました?」

「え?」

「もしかして…緊張してます?」

「そ、それは…」

「それとも何か期待しちゃいました?」

クスっと笑う燈冴くんの悪戯な笑みは
こういう時、本当にズルい…

『はい』も『いいえ』も言葉に出来なくて
首を横に振ることもしなくて…
ずっと心臓が跳ねているようなドキドキと火照る頬に、目の前がクラクラしそうになる。

それなのに燈冴くんはいつだって変わらない。

「キス…だけなら…」

「ッーーー」

わたしの横に手を付いて
燈冴くんはわたしの唇にチュッと…軽くキスをし
それ以上は何もせずに離れていく。

本当にこういうところに惹かれてしまうんだ―――