変に好かれると余計に拗れてしまうから
好意なんて持って欲しくないのに。
「結婚を前提に好きになるっていうのもアリだと思うし。これからもっと、仲を深めていこうよ。ね?」
王子ウィンクで決められて
わたしは顔を引きつらせながら
『結構です』と終始、断り続けた。
鮎沢さんの言った事がどこまで本当かわからない。
実はとんでもない野心に満ち溢れていて
わたしを騙し、父も騙して会社を好きにしようと考えているのかもしれない。
でも今はそれを知る術がない。
いつ本性を出すかもわからない人とわたしは
本当に婚約させられてしまうの?
燈冴くん…
わたしはどんな答えを出したら良い?
【さよならの理由を知らないまま…
婚約させられてしまうの? 終】