結局どこにも見つからなくて
部屋に戻ったわたしはスマホで彼に電話をしてみたけれど、もちろん出るはずもなくて…
握りしめてクシャっとなってしまった封筒を
震える手で開けて、綴られていた1枚の便箋に目を通した。
『メリークリスマス、緋奈星さま。
毎年、一緒に過ごしていたこの日を
今年は独りにしてしまってすみません。
私はしばらく戻れそうもなくて
戻れたとしても…貴女の顔が見られそうもなく…
こんな形でプレゼントをお渡しする事を
お許しください。
そのプレゼントは―――』
読み終えたわたしは
彼が置いていったプレゼントのリボンを外して箱を開けて…
その中身に…涙が零れたーーー
「燈冴くん…ッ」
彼がくれたモノは
わたしの誕生石エメラルドが光輝く
”アンクレット”
『そのプレゼントは
貴女を御守りしたいという願いと
私はいつでも緋奈星さまの傍にいます、と
想いを込めて――』
あのとき言っていた”足枷”
その言葉を思い出して
その意味を知って
わたしはその場に泣き崩れた。
止めどなく溢れる涙に息継ぎを忘れるくらい
声を出して、子供みたいに泣き続けた。
燈冴くんに会いたい。
わたし、貴方の事が好き。
「燈冴くんが大好きだよッ」
降り始めた真っ白な雪が
ヒラヒラと窓の外を冷たく舞っていった――――



