―――22:00
父の仕事が終わったタイミングでわたしもキリが良く一緒に帰る事に。
流れる景色に映るイルミネーションに”綺麗”って思う余裕もなくて、2人とも会話の1つもなく父の運転で家路についた。
真っ暗で寒い屋敷には
やっぱり燈冴くんの姿はなくて
さっき送った”メリークリスマス”に既読もナシ。
ケーキくらい買ってくれば良かったかな…
…そんな気分にもならないな。
お風呂に入ってもう寝よ。って考えながら
部屋に戻りコートをハンガーに掛けバスルームに向かおうとして偶然、視界に入ったベッドサイドのテーブル。
離れた位置からでも、なんとなく見えたモノ。
「え、これって…」
赤と緑のラッピングに金色のリボンで留められた
30㎝角くらいの正方形の小箱と、その隣には白い封筒が1枚。
表書きの”緋奈星さまへ”と記された文字で
すぐに誰が置いたモノかわかった。
「燈冴くん…ッ!?」
どうして彼がコレを、なんて考えるより先に体が動いた。
封筒を握りしめたままわたしは部屋を飛び出していて、無我夢中で家中を見てまわり玄関の外まで彼の姿を捜した。
確かに燈冴くんはこの家に…
わたしの部屋に戻ってきていたんだ。
サンタクロースのように
クリスマスプレゼントを置くために――――



